こんにちは、佐藤です。
今回は「対比(たいひ)」について解説していきます。
対比表現と似た文章構造で「逆接(ぎゃくせつ)」というものもあります。
これら2つの違いを知って、意識的に分けて使うことで文章にメリハリが出ます。
是非、ご参考下さい。
逆接表現についてはこちら:
【逆接表現(日本語)】主張を強調するための文法と接続詞の種類対比とは
対比とは、前の文と後の文を比べる文章構造です。
それぞれの文同士の共通点と違いを認識してもらうための文章になり、筆者の主張が強く出ていない表現方法となります。
特に何かを強調しているわけではないという点が、逆接の表現との大きな違いになりますので、是非頭の片隅に置いておいていただければと思います。(後述します。)
対比表現の形式
Aである。一方で、Bである。
というように、前の文と後の文を対比の接続詞を使って結ぶ形が一般的です。
上記の場合は「一方で」が対比の接続詞にあたり、他にも多数あります。
対比の接続詞
接続詞のバリエーションが多いと、書ける文章の幅が広がります。(例えば、「一方で」ばかりが使われている文章だと、意味は通っていても少し読みづらい印象になりますね。)
対比の接続詞の例をいくつか挙げておきますので、ご参考下さい。
・一方で
・他方で
・対して
・それに対して
・反対に
・逆に
・その反面
などです。
それぞれにニュアンスの違いはありますが、どの接続詞も目指す文章構造は「対比」になりますので、是非意識して使ってみて下さい。
対比の例文
対比表現の例文もいくつか挙げておきますね。
バスケットボールのドリブルは手で行う。一方で、サッカーのドリブルは足で行う。
対比表現は前後の文章を比べている構文である。それに対して、逆接表現は後の文が強調されている構文である。
歌うと元気が出る。その反面、読書をしても元気が出ない。
対比表現には、主張という点において前後の文に強弱がありません。
なので、前後の文が入れ替わったとしても違和感なく意味が通じます。
例えば3つ目の例文の前後を入れ替えて、
読書をしても元気が出ない。その反面、歌うと元気が出る。
としても意味に違いが生じませんね。
これが対比表現の大きな特徴です。
逆接との違い
一方で、逆接表現の文章の前後を入れ替えると、文章の意図が変わったり、意味が通らなくなったりします。
例えば、
毎日筋力トレーニングをしている。ところが、脂肪ばかりが増えていく。
という逆説表現の文章があったとします。
この場合の筆者の主張は「脂肪ばかりが増えていく」です。
前文の「毎日筋力トレーニングをしている」は後文を強調するための文であり、メインではありません。
上の例文の前後を入れ替えてみると、
脂肪ばかりが増えていく。ところが、毎日トレーニングをしている。
意味は一応通る気がしますが、強調されている文が変わってしまっていますね。
この文の場合は「毎日トレーニングをしている」が言いたいことになっています。
よって、逆接の構文は、前の文と後の文にそれぞれ違う役割があり、主張という点において強弱があるのです。(前の文を主張していないわけではないのですが、より強く押し出したいのは後の文なのですね。)
是非、対比表現との違いを意識して使ってみていただければと思います。
まとめ
・対比とは、前の文と後の文を比べる表現
・主張における強弱が無いのが特徴
対比表現は何かを強く主張しているわけではないので、事実の確認や説明文という役割を持った構文です。
そういう点では、「並列(並立)表現」にも似ていますね。
是非、あわせてご参考ください。
【並列・並立の接続詞(日本語)】同等の文や語句を並べて理解を深めるための構文では、最後まで読んだくださりどうもありがとうございました。